
海外のEDC系YouTube動画を見ていて、「これ、かっこいいな」と思うマルチツールに出会ったことはありませんか?たとえば2026年8月20日に公開されたJon Gadgetの「Best Pocket EDC Multitool」という動画は、2026年9月時点で550,634回再生されています。レザーマンやビクトリノックスのマルチツールがずらりと並ぶ映像を見て、「自分も一つ持っておきたい」と思う一方で、ふと冷静になって「これ、日本で普通に持ち歩いていいんだっけ?」と不安になった方も多いはずです。
実はこの不安、半分正解で半分間違っています。マルチツールの携帯には銃刀法と軽犯罪法という2つの法律が関わっていて、「刃体が◯cm以下だから大丈夫」という単純な話では済まないからです。とはいえ、正しく理解して、正しい選び方・持ち方をすれば、過度に恐れる必要はありません。この記事では、法令面をきちんと整理したうえで、実際にAmazonで購入できるおすすめモデルだけを紹介する——という選択肢を用意しました。
この記事で解決できる悩み
- EDCマルチツールって日本で持ち歩いても違法にならないの?
- 銃刀法と軽犯罪法、何がどう違うのか分からない
- 車のグローブボックスに積んでおくのは大丈夫?
- 刃物を持ちたくないけど、マルチツールは使いたい
ひとつでも当てはまったら、最後まで読んでみてください。
【結論】EDCマルチツール選びで最初に押さえるべきこと

先に結論から言うと、EDCマルチツール選びで押さえるべきポイントは2つです。
1つ目は、銃刀法22条と軽犯罪法1条2号という、性質の異なる2つの法律が関わるということ。銃刀法は刃体の長さと形状で判定されますが、軽犯罪法は刃体の長さに関係なく「正当な理由のない携帯」を問題にします。片方だけクリアしても安心はできません。
2つ目は、迷ったらナイフを持たない「ナイフレスモデル」という逃げ道があるということ。ペンチやドライバー、栓抜きは使いたいけれど刃物の携帯リスクは避けたい、という人には、最初からナイフを搭載しないモデルを選ぶのが一番シンプルな解決策です。
具体的にどのモデルを選べばいいかは後半でまとめて紹介しますが、法令面に不安がある方は、まず刃物なしのビクトリノックス ジェットセッターから検討してみるのも一つの手です。
法令面が不安なら「刃物なし」から検討する
ドライバー・栓抜き・はさみなど、刃物以外の機能は十分実用的です。まずは刃物なしモデルの価格・在庫をチェックしてみてください。
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EDCマルチツールと日本の法律|銃刀法と軽犯罪法の違い
マルチツールの携帯に関わる法律は、大きく分けて2つあります。
1つ目は銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)第22条です。刃体の長さが6cmを超える刃物は、業務その他正当な理由による場合を除いて携帯してはならないと定められています(e-Gov法令検索。違反は2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金)。
ただし22条には適用除外があります。刃体8cm以下のはさみ、または先端部が著しく鋭くなく刃も鋭利でない折りたたみ式ナイフ等は、6cmを超えていても22条の携帯禁止の対象から外れます(警視庁「刃物の話」)。マルチツールに搭載されている小刃が、この形状要件を満たすケースは少なくありません。
ここで「じゃあマルチツールは銃刀法の対象外だから安心」と考えるのは早計です。2つ目の軽犯罪法第1条2号が別途及ぶからです。正当な理由がなく、刃物その他人の生命・身体に害を加えうる器具を隠して携帯していた者は、拘留または科料の対象になります(警視庁「刃物の話」)。この規定は、銃刀法22条の対象外であっても独立して適用されます。刃体の長さは関係ありません。
つまり、「刃体6cm以下(あるいは適用除外の形状)だから銃刀法はセーフ」というのは半分正しいのですが、軽犯罪法まで含めて「合法」と言い切ることはできない、というのが正確な理解です。
【実例】十徳ナイフ携帯で軽犯罪法違反になったケース
この2段構えの怖さがよく分かる実例があります。刃体約6.8cmの十徳ナイフを、かばんのチャック付き外ポケットに入れて携帯していた人が、信号無視での職務質問をきっかけに発見され、起訴された事案です(アトム法律事務所弁護士法人の解説記事)。
この事案では、刃体6.8cmという長さは通常6cm超で銃刀法22条の対象になりますが、「先端部が著しく鋭くなく刃も鋭利でない」政令で定める形状(8cm以下)の適用除外に該当したため、銃刀法違反には問われませんでした。
しかし、軽犯罪法1条2号では有罪となっています。「災害時や日常生活で何か必要になったときに便利」という漠然とした携帯目的、直近3か月間の不使用実績、チャック付きポケットへの収納(=「隠して携帯」に該当)という3点から、正当な理由がないと判断されました。量刑は科料9,900円で、一審・控訴審とも確定しています。
この判例が伝える教訓ははっきりしています。刃の長さの議論だけでは不十分で、携帯の目的・収納の仕方(隠しているかどうか)・直近の使用実績まで問われる、ということです。「なんとなく持っておくと便利そうだから」という理由だけでポケットやカバンに入れっぱなしにするのは、リスクの高い携帯方法だと言えます。
正当な理由になる持ち方・ならない持ち方
では、どういう携帯の仕方なら「正当な理由」になりやすいのでしょうか。警視庁の解説と上記の判例をもとに整理すると、次のようになります。
| 該当しやすい(OK寄り) | 該当しにくい(NG寄り) |
|---|---|
| 登山・キャンプに向かう途中で登山用具として携帯 | 「もしものため」「便利だから」という漠然とした理由のみ |
| 刃物店で購入し自宅・現場へ持ち帰る途中 | 過去に使ったが直近数か月使用実績がない |
| 調理師が仕事用に包丁をバッグへ入れて移動 | 護身目的(防犯用) |
| 車の工具箱・グローブボックスに収納し、目的地(キャンプ場・作業現場)で使うことが明確 | 目的なくポケット・バッグの分かりにくい場所に日常的に入れっぱなし |
車のグローブボックスに常備して、キャンプ場や作業現場という明確な目的地に向かうときに携帯する——この使い方は、表の「OK寄り」の条件に近い形です。逆に、目的もなく普段づかいのバッグに入れっぱなしにする使い方は、「NG寄り」の条件に当てはまりやすくなります。
ただし、ここで断っておきたいのは、これらはあくまで該当しやすい・しにくい傾向であって、個別のケースで合法・違法を断定するものではないということです。最終的な判断は警察・検察・裁判所によるものであり、この記事は法律相談ではありません。不安が残る場合は、次に紹介する「ナイフを持たない」という選択肢も検討してみてください。
EDCマルチツール おすすめ8選|ペンチ主体・ナイフ主体・ナイフレスで整理
ここからは、実際にAmazon.co.jpで購入できるモデルを、ペンチ主体(車載・DIY向き)/ナイフ主体(アウトドア調理向き)/ナイフレス(法令面の不安を避けたい人向き)の3系統に分けて紹介します。価格はすべて2026年9月時点のものです。価格は変動しますので、購入前に必ずリンク先で最新情報を確認してください。
先に8モデルを一覧で並べておきます。「ペンチが要るか」「刃物を持ちたいか」の2点で系統が決まるので、そこから絞り込むのが早いです。
| モデル | 系統 | 価格(2026年9月時点) | 刃物 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| Leatherman Wave+ | ペンチ主体 | 22,000円 | あり | 車載工具・DIYの本命を1本で決めたい |
| Leatherman Sidekick | ペンチ主体 | 13,750円 | あり | ノコギリを使うキャンプ作業が多い |
| Leatherman Wingman | ペンチ主体 | 13,750円 | あり | ハサミを使う日常・家庭用途が多い |
| Leatherman REV | ペンチ主体 | 8,289円 | あり | 日本正規品で価格を抑えたい |
| Gerber Suspension-NXT | ペンチ主体 | 8,283円 | あり | 入門価格帯をもう1つ比較したい(保証は要確認) |
| Victorinox ハントマン | ナイフ主体 | 6,050円 | あり | キャンプの調理・薪処理が中心(ペンチなし) |
| NexTool Mini Sailor Lite | ナイフレス | 3,599円 | なし | 刃物を持たずに9機能を携帯したい |
| Victorinox ジェットセッター | ナイフレス | 2,750円 | なし | 法令面の不安を最優先で避けたい |
ペンチ主体|車載工具・DIYで頼れる5モデル
車のグローブボックスに積んでおく工具として、あるいは自宅でのDIYに使うなら、ペンチ(プライヤー)を主体に据えたモデルが使いやすいです。
| モデル | 価格(2026年9月時点) | 特徴 |
|---|---|---|
| Leatherman Wave+ | 22,000円 | 18機能・全ツールロック搭載。ペンチ主体機の本命 |
| Leatherman Sidekick | 13,750円 | ノコギリ付きでキャンプ適性が高いアウトドア入門機 |
| Leatherman Wingman | 13,750円 | Sidekickの姉妹機。ノコギリの代わりにハサミを搭載し、日常・家庭用途寄り |
| Leatherman REV | 8,289円 | 日本正規品で最も手頃なペンチ主体機。入門価格帯 |
| Gerber Suspension-NXT | 8,283円 | 15機能。同じ入門価格帯。商品タイトルが英語表記のため国内正規代理店保証の有無は購入前に要確認 |
もっとも定番なのはLeatherman Wave+です。18機能に加えて全ツールロック機構があり、車載工具として一本持っておくならまずこれを検討する人が多いモデルです。
キャンプでの使用頻度が高いなら、ノコギリが付いたLeatherman Sidekickの使い勝手が光ります。薪の枝払いなど、キャンプならではの作業で地味に効きます。日常使い寄りなら、ハサミ搭載のLeatherman Wingmanも選択肢です。
価格を抑えたいならLeatherman REVが日本正規品のなかでは最も手頃な価格帯です。同じくペンチ主体・入門価格帯の選択肢として、Gerber Suspension-NXT(15機能・8,283円)もあります。なお、Gerber Suspension-NXTは商品タイトルが英語表記のため、国内正規代理店の保証が付くかどうかは購入前に販売ページでよく確認してください。
ナイフ主体|キャンプでの調理・薪処理に強い1モデル
ペンチよりも、大型ブレード・のこぎり・はさみといったナイフ寄りの機能を中心に使いたいなら、スイスアーミーナイフ(SAK)系のVictorinox ハントマン(6,050円)が代表格です。13機能を搭載し、はさみ・のこぎりも付いているため、キャンプでの薪処理や食材処理と相性が良いモデルです。
ただし注意点があります。ハントマンにはレザーマン系のようなペンチ(プライヤー)は搭載されていません。あくまでナイフ主体の構成なので、ペンチが必要な作業には向きません。ペンチ・ナイフどちらを優先するかで、選ぶべき系統が変わってくる、と覚えておいてください。
ナイフレス|法令面の不安を避けたい人の2モデル
法令面の話を読んで、「刃物は持たずにマルチツールの便利さだけ欲しい」と感じた方向けの2モデルです。
Victorinox ジェットセッター(ナイフレス)(2,750円)は、国内正規品・型番0.6263-012のブレードレスモデルです。ドライバーや栓抜きなど実用的な機能を残しつつ、刃物を一切搭載していないため、銃刀法・軽犯罪法いずれの携帯規制の対象にもなりにくい構成です。
もう一つの選択肢がNexTool Mini Sailor Lite(3,599円・9機能)です。商品タイトルに「TSA認可」の記載がありますが、これはあくまで商品タイトル上の表示であり、実際の機内持ち込み可否は航空会社・保安検査の判断によります。海外出張が多い方は、この点を踏まえたうえで検討してください。
なお、刃物を搭載していないモデルであっても、ドライバーやプライヤー部分が「人の生命・身体に害を加えうる器具」に該当しないとは言い切れません。軽犯罪法の対象は刃物に限定されないため、「ナイフレスだから完全に無関係」という理解も正確ではない点は補足しておきます。
ペンチ主体 vs ナイフ主体|あなたはどっちを選ぶべき?
用途別に整理すると、次のように選ぶのが分かりやすいです。
- 車載工具・DIY中心:ペンチ主体(Wave+・Sidekick・Wingman・REV・Suspension-NXT)
- キャンプでの調理・薪処理中心:ナイフ主体(ハントマン)
- 通勤・電車移動が多い、法令面が気になる:ナイフレス(ジェットセッター・Mini Sailor Lite)
- 防災用に一つ備えておきたい:ペンチ主体・ナイフ主体どちらでも可。ただし自宅保管なら「隠して携帯」に当たらないため、携帯時の法令リスクは出先に持ち出すときだけ意識すれば十分です
ここは注意|マルチツール選びで失敗しやすいポイント
最後に、選ぶ際につまずきやすいポイントを2つ挙げておきます。
1つ目は並行輸入品の保証リスクです。レザーマンは日本正規品(LTJマーク付き)に25年保証が付きますが、並行輸入品は対象外になりやすいです。ビクトリノックスも正規品には生涯保証が付きますが、同様に並行輸入品は保証対象外になりがちです。価格が極端に安い出品は、保証が付かない可能性を疑ってみてください。
2つ目は、今回紹介した法令面の話を、購入後の携帯方法にも活かすことです。買って満足するだけでなく、車のグローブボックスに収納して目的地で使う、といった「正当な理由」が説明しやすい携帯の仕方を意識しておくと安心です。
保証重視なら日本正規品を選ぶ
車載工具の本命として検討されることが多いモデルです。25年保証付きの日本正規品かどうか、購入前に商品ページで確認しておくと安心です。
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車載工具としての使い方|プラドのグローブボックスに何を積むか
車にマルチツールを積んでおくかどうか、私自身も検討しているところです。プラド150のグローブボックスに、ヒューズ交換用のドライバー、内張りを剥がすためのヘラ代わりの工具、緩んだネジを締めるドライバー、結束バンドを切るはさみ——これらを1本にまとめられるなら、荷物を減らせて地味に効きます。
キャンプ場や作業現場という明確な目的地が決まっているときに車から取り出して使う、という運用であれば、先ほどの「正当な理由になりやすい持ち方」の条件にも近づきます。長期の車中泊やキャンプでの装備を一式そろえたい方は、ランクル300/250 真夏の車中泊サバイバルキットの記事もあわせてチェックしてみてください。
キャンプでの実用シーン
キャンプでの出番も多いカテゴリです。ペグが固くて抜けないときのプライヤー、缶詰やレトルトパウチの開封、焚き火周りでの細かい作業——こうした場面で、ちょっとした工具を持ち歩いているだけで「あって良かった」と思う瞬間があります。バックパックの中身を最適化したい方は、【2026年版】EDCバックパック おすすめ比較5選も参考になります。私が愛用しているAble Carry Max EDCのような収納力のあるバッグなら、マルチツールを含めたガジェット一式をまとめて持ち運べます。出張時のガジェット持ち運びを見直したい方は、出張・EDCで失敗しないガジェットバックパック比較もあわせてどうぞ。
FAQ(よくある質問)
Q. 刃体6cm以下なら完全に合法ですか?
A. いいえ。銃刀法22条の携帯禁止規定は刃体の長さや形状で判定されますが、軽犯罪法1条2号は刃体の長さに関係なく「正当な理由のない携帯」を独立して問題にします。銃刀法をクリアしても軽犯罪法まで含めて「合法」とは言い切れません。
Q. 車に積んでおくだけなら大丈夫ですか?
A. 目的地(キャンプ場・作業現場)で使うことが明確で、車の工具箱・グローブボックスに収納している状態は、正当な理由になりやすい条件に近いとされています。ただし個別の状況によって判断は変わるため、断定はできません。
Q. ナイフなしモデルなら完全に安心ですか?
A. 銃刀法の携帯規制は刃物が対象なので該当しにくくなりますが、軽犯罪法1条2号は「刃物その他人の生命・身体に害を加えうる器具」を対象にしているため、ドライバーやプライヤーであっても隠して携帯する目的次第では対象になり得る点は留意してください。
Q. 海外通販で買った方が安いのでは?
A. 価格だけを見れば安く見えることもありますが、並行輸入品は日本正規品の保証(レザーマン25年保証・ビクトリノックス生涯保証)の対象外になりやすいです。トラブル時の対応まで含めて考えると、正規品との価格差は「保証を買っている」側面もあります。
まずは価格の手頃なモデルから検討したい方へ
日本正規品で最も手頃な価格帯のペンチ主体機です。入門用として検討している方はチェックしてみてください。
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まとめ

EDCマルチツールを選ぶうえで大事なのは、法令面を「刃体6cm」だけで判断しないことです。銃刀法22条と軽犯罪法1条2号、性質の異なる2つの法律を踏まえたうえで、目的が明確な持ち方(車載工具・キャンプ携行)を意識すれば、過度に恐れる必要はありません。車載工具・DIY中心ならペンチ主体のLeatherman Wave+、キャンプでの調理中心ならナイフ主体のVictorinoxハントマン、法令面が気になるならナイフレスのジェットセッター——という選択肢があります。
用途別おすすめをもう一度チェックする
上で整理した3系統の代表モデルです。価格・在庫は変動するため、最新情報はリンク先でご確認ください。
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参考になれば幸いです。




